霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院 ディプロマ・ポリシー

霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院(略称PWS)が、そのプログラムの修了を認定する要件として、5年間の履修課程を通じて、以下の項目の実践状況・到達度を確認する。①修士課程相当の必修8実習の履修(国内外自主フィールドワーク実習を含む)、および上級生としての実習実施への貢献、②博士課程相当の6ヶ月以上の国内外長期自主研修インターンシップ、③研究のための知識・情報収集技術・情報発信力の獲得、およびコミュニケーションツールとしての言語習得。以上についての確認の機会は、PWSの年次シンポジウム・中間シンポジウムでの発表と面接、および日々の面談である。


第1の修士課程相当の8実習は、京大が保有する国内の野外実習拠点を活用した実習を中心とした「インターラボ」、「幸島実習」、「屋久島実習」、「ゲノム実習」、「妙高高原笹ヶ峰実習」、「比較認知科学実習」、「動物園・博物館実習」と、履修生の自主企画による国内外の「自主フィールドワーク実習」である。これらの履修を必須とするとともに、履修後もチューターとして下級生の実習履修に貢献することを期待する。また実習参加後は、所定の書式の報告書の提出を要件とする。京大が保有する研究施設すなわち霊長類研究所、野生動物研究センター、リサーチリソースステーション、幸島観察所、熊本サンクチュアリや、学外連携施設である日本モンキーセンター、京都市動物園、京都水族館、名古屋市東山動物園等を活用し、こころ・からだ・くらし・ゲノムの広い視野から人間とそれ以外の動物の関係を学ぶ。


第2の博士課程相当の国内外長期自主研修インターンシップについては、国内外研究拠点・連携施設のいずれかの場所を中継基地として、PWSが目指す3つの出口「博士学芸員」「国際機関」「アウトリーチ」に対応した「自主企画研修インターンシップ」を実践することを必須の要件とする。国内外研究拠点・連携施設については、前述の日本モンキーセンターなどの国内の学外連携施設だけではなく、日本学術振興会の先端研究拠点事業に始まって10年続く日独米英仏伊の先進6か国の研究機関との連携に加えて、生息地国の主要研究機関との覚書も整っており、またギニア、コンゴ、ガボン、タンザニア、ウガンダ、マレーシア、インド、ブラジル等に野外研究のための研究教育基地を有しており、さらには京大とUNESCOの研修協定も整っている。この研修インターンシップの実施期間は通算6ヶ月以上であることとし、所定の書式の報告書の提出を要件とする。


第3の研究のための知識、情報収集技術、情報発信力の育成、および、コミュニケーションツールとしての言語習得については、セミナー受講および実習で習得するほか、自学自習を支援し、フィールドワーク実施時における「現地習得」を重視する。フィールドに出ている場合を除き、PWSが独自におこなうアシュラ国際セミナー(使用言語:英語)とブッダセミナー(使用言語を限定せず)の双方への参加は必修である。なお言語習得に関しては、母語以外の多言語学習を推奨する。英語は必修で、英語が母語の場合は最低ひとつの他言語が必修である。その他の言語習得についても強く推奨する。現場での自学自習を基礎に、英語を公用語とした実習やセミナーやシンポジウムをおこない、実習終了時の報告書は英語版の提出が必須である。特に調査地の現地語は引率指導教員による現地講義を主軸に、フィールドワークを通じた「体得」による生きた語学力習得をめざす。また、ネイティブの外国人協力者(IC)の紹介など、自学自習に際する支援は惜しまない。言語習熟度合については、ネイティブの外国人教員を中心に毎年次の到達度を評価する。プログラム修了時の到達度を一律には設定しないが、年次ごとの進歩・改善が不可欠である。


以上の3要件(必修8実習の履修・貢献、国内外長期自主研修インターンシップ、研究のための基礎能力・語学の習得)を満たしているか確認したうえで、総合評価をおこなう。総合評価は、HQと称する事業の核となる分担者を中心に、履修者の在籍研究科の指導教員およびPWS指導教員によって構成される「PWS研究指導審査会」において、所与の成績評価に面談の結果を加え、総合的に優・良・可・不可(SABC)の4段階で評価して良以上の成績を修めることを要件とする。

(平成26年3月14日制定、平成27年1月16日改訂・認定)